講座の主旨
2015年に都市農業振興基本法が施行され、都市農地の位置づけが「宅地化すべきもの」から都市に「あるべきもの」へと転換しました。これを受けて都市政策においても2017年の都市緑地法の改正により、農地も緑地として都市政策に組み込まれ、都市農地の保全が進められるとともに、都市での「農ある暮らし」のニーズがますます高まっています。
そこで日野市でも、農業振興と緑地を含めた都市農地保全の取り組みや、農業経営の実情、市民の農への参画、地産地消の推進、持続可能で循環型の社会づくり、歴史などを学ぶ連続10回の講座を2024年11月から開催しています。
(主催:農あるまちづくり講座 in 日野市実行委員会、共催:都市農業研究会、一般社団法人TUKURU、労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東京三多摩山梨事業本部、協力:日本社会連帯機構、農的社会デザイン研究所、日野市、後援:JA東京みなみ)
オプション企画まちあるき
講座参加者やそのご家族など19名が集まり、百草園駅から石坂ファームハウスまで、3時間ゆっくりと百草・倉沢の里山を探索。第3回講座での講師・上野さだ子さんにこの地にまつわる歴史を解説いただきながら歩いたあとは、石坂ファームハウスで「かまどご飯ランチ」をご馳走になりました。





講座の内容や様子は、JA東京みなみが初回分からホームページにアップ下さっています。こちらからご覧下さい。
私が印象に残ったこと
平安時代からこの地域のコミュニティの中心であっただろう百草八幡宮。江戸時代に小林権大夫が治める御林(おはやし)は、下草や枯れ枝を集める村人たちの暮らしとつながっていた。そうした歴史を上野さんから伺うのと同時に、いま里山での暮らしを守る方たちからもお話を聞けました。落葉をたい肥にする。竹灰をつくる。地域の鶏糞、牛糞、馬糞、それにおからも土に返して野菜をつくる。そうした野菜で自給自足的な生活を送る。雑木林は手入れをすると風通しも良くなり、光も入り生き物の多様性が高まる。MOGUSA里山の高畑さんたち、倉沢里山を愛する会の皆さん、そして石坂ファームの石坂さんご家族。皆さんが守りつづけ暮らしがこの地の歴史と地続きであること、そしてそれは過去のものというより、私たちが未来にめざす暮らしの姿なのだろうと、美味しいかまどご飯ランチと一緒に味わい感じました。
(小牧)