講座の主旨
2015年に都市農業振興基本法が施行され、都市農地の位置づけが「宅地化すべきもの」から都市に「あるべきもの」へと転換しました。これを受けて都市政策においても2017年の都市緑地法の改正により、農地も緑地として都市政策に組み込まれ、都市農地の保全が進められるとともに、都市での「農ある暮らし」のニーズがますます高まっています。
そこで日野市でも、農業振興と緑地を含めた都市農地保全の取り組みや、農業経営の実情、市民の農への参画、地産地消の推進、持続可能で循環型の社会づくり、歴史などを学ぶ連続10回の講座を2024年11月から開催しています。
(主催:農あるまちづくり講座 in 日野市実行委員会、共催:都市農業研究会、一般社団法人TUKURU、労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東京三多摩山梨事業本部、協力:日本社会連帯機構、農的社会デザイン研究所、日野市、後援:JA東京みなみ)
第5回講座
今回の講座は「どうして農地が減ってるの?」と題して、一般社団法人東京都農業会議の松澤龍人さんにお話いただきました。松澤さんは東京での新規就農者の支援もされています。本講座での講師を務めてくださった馬場さん(1/14)や梅村さん(2/4)も、東京農業会議に相談して、その支援を受けながら日野市で新規就農されたのだそうです。
講座の概要や様子は、JA東京みなみが毎回ホームページにアップ下さっています。こちらからご覧下さい。


私がいちばん印象に残ったこと
2015年に、都市農地は「宅地化すべきもの」から「残すもの」へと農地政策上の大きな転換がなされた。都市農地(生産緑地)の税制優遇制度の延長も可能となり、それまでは難しいとされていた生産緑地を貸すこともできるようになった。でも、そうした大転換にもかかわらず、農地はどんどん宅地化されている。なぜなのでしょう?
農業は儲からない、だから後継者がいない・・・などの理由がありますが、何と言っても「相続税」が大問題。
自宅の敷地の相続税を払うために農地の一部を売ろうとすると、その農地は近くの宅地のおよそ8割の価値があると評価されて相続税が高くなる。そうなると、もっと多くの農地を売らなくてはならなくなる・・・。松澤さんのお話から私が推測するに、このようにして相続が発生するたびに農地はどんどん宅地化されていくのでしょうか。
2019年に日野市で新規就農してネイバーズファームを開設した梅村さんの場合、農家さんが先を見越して30年間の賃貸借契約を結んでくれたそうです。30年も使えるとなれば、安心して設備投資にもお金がかけられます。講演のあとの質疑応答の時間に、日野市としては今後、農業委員会とJAと協力して農地を貸したい農家さんと農地を借りたい人とを繋ぐマッチングの業務にチャレンジしていくつもりだとの発言もありました。そうすれば、第2の梅村さんが出現するかもしれない、と。これは、本当に、期待したいです!
一方、私たち、ふつうの市民には何ができるのでしょうか? 地元産の野菜を買って農家さんを応援することは誰でもできることですね。それと、多くの人が日野の市民農園やコミュニティ農園などで畑しごとを楽しむこと。農のファンがもっともっと増えていけば、農地の需要も高まって、残る農地が増えるかもしれません。
(小牧)